今回は、ヴェロキラプトルをご紹介します。
ヴェロキラプトルの名前は、"ヴェロキ"=素早い、"ラプトル"=どろぼう、を意味します。ただし、"ラプトル"に関しては、過去に卵の化石近くで発見された恐竜が"卵どろぼう"=オヴィラプトルと名付けられたことで、その後に発見された近縁種にも付けられていくことになりました。つまり、ヴェロキラプトルとどろぼうには直接的な繋がりはありません。
ヴェロキラプトルは、1993年に公開された映画「ジュラシックパーク」に登場したことで、一気に有名になりました。
その後、2015年に公開された映画「ジュラシックワールド」では、"ブルー"、"デルタ"、"エコー"、"チャーリー"と名付けられた4頭のヴェロキラプトルが登場し、世代を超えてヴェロキラプトルの認知度を大きく向上させました。
ただ、「ジュラシックパーク」や「ジュラシックワールド」に登場するヴェロキラプトルは、実際にヴェロキラプトルよりも大きく表現されています。
どちらかというと、一回り大きいデイノニクスがモデルとなったようです。
映画の中でも描かれていますが、ヴェロキラプトルはその名の通り素早く動けると同時に頭が良く仲間と連携して狩りをしていました。
さらに、もう一つの武器が"かぎ爪"です。
下の写真はモンゴルで発見された貴重な化石を復元した模型です。
ヴェロキラプトルとプロトケラトプスが争った状態で化石となったのです。
ヴェロキラプトルのかぎ爪がプロトケラトプスの頭部や腹部に位置しています。
このかぎ爪を武器として獲物を捕獲していたんですね。
ちなみに、この2頭が争っている化石の原標本はアメリカ自然史博物館に保管されています。
弱肉強食の恐竜の世界を示す化石ですね。
もう一つ、重要な特徴があります。
それは、羽毛が生えていたということです。
ただし、空を飛んでいたということではありません。
卵を温めて孵化させるのに役立てていたのです。
恐竜が鳥類へと進化した過程とも言える羽毛恐竜。その代表的な恐竜がヴェロキラプトルであると言えます。
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