今回は、ヒタチナカリュウをご紹介します。
2002年に茨城県ひたちなか市にある白亜紀の地層である那珂湊層群で発見されました。
発見された化石をドイツの専門家に送り鑑定を依頼した結果、翼竜の肩甲骨であることの結論だったのです。
しかも、ニクトサウルスに近い新種の翼竜とされました。
日本から新種の翼竜が発見された!と、当時話題になりました。
しかし・・・
この化石を所蔵している茨城県立自然史博物館の研究員が、たまたまスッポンを調理し食べていたところ、あることに気づきました。
スッポンの上腕部の骨がヒタチナカリュウの肩甲骨とよく似ていたのです。
さらに、那珂湊層群のある平磯海岸から大量のスッポンの化石が見つかったのです。
茨城県立自然史博物館は、化石の再調査を行いました。
翼竜もスッポンも骨の内部に特徴があります。
そこで、CT装置を活用し内部の様子を観察したのです。
すると、骨の内部は翼竜類によくみられる空洞ではなくスポンジ状になっていることがわかりました。
このスポンジ状の骨の組織は、スッポンの骨の特徴です。
この結果から、2002年に発見され翼竜のものと考えられてきた骨化石は、大きなスッポンのものと結論付けられたのです。
幻と消えたヒタチナカリュウ。
ヒタチナカリュウの存在を初めて知った時には、大変興奮したことを覚えています。
いや~、真実が判明したことは喜ぶべきことかもしれませんが、個人的には残念でしたかね~。
一方、化石内部の構造・組織から過去の結論を覆る事実を明らかにできたことは素晴らしいですね
技術の発展と研究者の方の気付きが今回の真相解明に導きました。
また、白亜紀にいたと思われるスッポンの研究の今後は楽しみですね♪
動画もご覧ください。