今回は、トリケラトプス(Triceratops)をご紹介します。
基本情報
名前:トリケラトプス
学名:Triceratops
分類:鳥盤目周飾頭亜目
時代:白亜紀後期マーストリヒチアン
体長:7~9m
食性:植物食
トリケラトプスは、植物食恐竜を代表する超有名な恐竜です。
凶暴なティラノサウルスに対抗できる数少ない植物食恐竜です。
トリケラトプスのトリ(tri)は、ギリシャ数字で”3”を表します。
次のケラト(cerat)は、"角"を意味します。
最後のオプス(ops)は、顔を意味します。
3つの角の顔・・・まさにトリケラトプスの特徴を捉えた名前ですね。
トリケラトプスの頭部は身体に対してかなり大きいです。
さらに3つの角にえりかざりが付いており、とっても重量があります。
その為、化石として発見される時には、頭部と身体が離れている事が多いのです。
発掘現場では、周辺で見つかった化石が同種・同個体のものか判断できないということが多々あるんですね。
トリケラトプスは、トリケラトプス・ホリドゥスとトリケラトプス・プロルススという2種が確認されています。
トリケラトプス・プロルススは、トリケラトプス・ホリドゥスが進化した種と考えられており、ホリドゥスよりも後の時代を生きました。
トリケラトプス・ホリドゥスと比べて、トリケラトプス・プロルススの鼻の上の角は長いという特徴があります。
大人気のトリケラトプスは、これまでにたくさんの化石が発掘・研究されています。
発掘されるのは、白亜紀に生息していた北アメリカ(アメリカ合衆国やカナダ)です。
次の化石は、ブラックヒルズ研究所が2002年に発掘した奇跡の化石"LANE(レイン)"です。
トリケラトプスの中でも状態が非常によく、最良の保存状態と言われています。
トリケラトプス・ホリドゥスに分類されています。
2021年にパシフィコ横浜で開催された恐竜科学博で実物が展示されました。
次の化石は、国立科学博物館に展示されている産状化石です。
1994年にアメリカのノースダコタ州で発見された化石で、"Raymond(レイモンド)"と呼ばれています。
こちらも非常に状態が良いです。
LANEと同様にトリケラトプス・ホリドゥスに分類されています。
同じく、国立科学博物館に展示されている全身骨格です。
こちらは、トリケラトプス・プロルススに分類されています。
鼻の上の角が長いことが分かります。
続いて、東海大学自然史博物館に展示されていた全身骨格です。
こちらも、トリケラトプス・プロルススに分類されおり、鼻の上の角が長めです。
※東海大学自然史博物館は、2023年3月に閉館しました。
多数の状態の良い化石が発見されていることもあり、研究がかなり進んでいる恐竜と言えます。
例えばライバル ティラノサウルスとの戦いについても研究されています。
同時代、同地域にはティラノサウルスも生息していました。
化石からはティラノサウルスの牙の痕が確認されています。
ティラノサウルスに襲われたことを示す化石と言えます。
しかし、やられてばかりではありません。
鋭い角を突き刺して肉食恐竜にも立ち向かいました。
この巨体ですから、ティラノサウルスのような大きな肉食恐竜にも対抗できたのです。
2006年にはティラノサウルスと重なる形でトリケラトプスの化石が発見されています。
この2頭の関係性は、こういった化石の研究により解明されていくことでしょう。
動画もご覧ください。