今回は、国立科学博物館で開催されている特別展「化石ハンター展~ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣~」をご紹介します。
イベント概要ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イベント名:化石ハンター展~ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣~
開催期間:①2022年7月16日~10月10日
②2023年7月15日~9月24日
開催場所:①国立科学博物館
②ATCギャラリー
主催者:①国立科学博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
料金:①当日券:一般・大学生2000円、小中高生600円
②当日券:一般1800円、大学・高校生900円、中・小学生600円
目玉展示:チベットケサイの復元模型と全身骨格レプリカ
※ATCギャラリー開催分は、開催決定後に追記しました。
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2022年夏の超大型イベントですよ~!
国立科学博物館では、過去何度も恐竜関連の特別展を実施してきました。
2000年以降の開催年は、2005年、2009年、2011年、2013年、2016年、2019年であり、いずれも大型の恐竜関連特別展です。
特に2013年以降は3年ごとに恐竜博が開催されていたため、2022年も恐竜博が開催されるものと思い込んでいました。
ところが、2022年開催となったのは、「化石ハンター展」という名の特別展でした。
恐竜博という名ではないものの、恐竜博に匹敵する大型古生物イベントであると勝手ながら期待しておりました!
ロイ・チャップマン・アンドリュースがゴビ砂漠の探検を開始して100年の記念すべきとしとして、化石ハンター展を開催する運びとなったようです。
たくさんの古生物化石を発見した人物ですから、今回の特別展も多くの古生物たちと会えることでしょう!
化石ハンター展の会場は、国立科学博物館 地球館の特別展示室です。
普段、国立科学博物館に入館する際は、次の画像にある常設展入口を利用していますよね?
特別展を見られる方は、こちらの特別展入口から入ります。
化石ハンター展に入場するには、まず日時指定予約をする必要があります。
この特別展入口で日時指定予約した際のメールやその画面を印刷した用紙を確認されます。お忘れないようにお気をつけください。
化石ハンター展に入場するためには、日時指定予約の他にチケットが必要です。
事前にHPにて購入するか、特別展示場前のチケット売り場で購入することができます。
繰り返しになりますが、日時指定予約&特別展チケットの2つが必要です。
先程の特別展入口から進んでいくと、特別展示場の入口にたどり着きます。
チケットを提示してからエスカレーターで降りていくと化石ハンター展の会場です。
会場内の様子です。
日時指定予約を行っており、30分刻み200人が入場の上限となっていますので、適度な混み具合です。
個人的には、混み過ぎていると自分のペースで見れなくなってしまうので困りますが、あまりに空き過ぎているのも寂しくなってしまうわがままっぷりです。
やはり、恐竜や古生物好きの方々で適度に混雑しているくらいがちょうどよいですね。
会場入ってすぐに目に飛び込んでくるのが、現生クジラの全身骨格です。
化石ハンター展の主役であるロイ・チャップマン・アンドリュースが鯨類の研究を行っていたということでクジラが展示されています。
こちらは現生のツチクジラの全身骨格です。
ツチクジラの下にはイワシクジラの頭骨が展示されています。
アンドリュースは日本の捕鯨基地を訪れ研究を行い、このイワシクジラなどの論文を発表したそうです。
さぁ、古生物たちの登場です。
まずはプシッタコサウルスの産状化石です。
ミイラ状になった化石です。
その隣にはプシッタコサウルスの全身骨格レプリカです。
プシッタコサウルスは1922年に中央アジア探検隊副隊長のグレンジャーが初めて発見して以降、モンゴル・中国の広範囲で発見されているそうです。
プロトケラトプスの全身骨格レプリカです。
プロトケラトプス・アンドリューシと名付けられ、アンドリュースの名が付いた初めての恐竜だそうです。
こちらをご覧ください!
全てプロトケラトプスの頭骨です。
それぞれ大きさが異なりますね。
多数の化石が発見されているプロトケラトプスの頭骨を成長過程が分かるよう並べて展示してます。
一番手前の幼体の頭骨はとっても小さいですね。
アンドリュースといえば恐竜の卵!
こちらは、オビラプトルの卵です。
以前はプロトケラトプスの卵だと考えられていたんですよね!
この他にもアンドリュースの調査隊が発見した恐竜たちが多数展示されています。
こちらはバクトロサウルスです。
6体分もの骨が確認されたようですよ。
こちらもアンドリュースの調査隊が発見した恐竜アーケオルニトミムスです。
オルニトミムス類の中でも最も原始的な種の一つだそうです。
モンゴルの代表的な恐竜といえば、ヴェロキラプトルではないでしょうか?
(ここではベロキラプトルと呼ばれていました)
化石ハンター展では3体のベロキラプトルが展示されていました。
こちらはベロキラプトルの命名の元となったタイプ標本のレプリカだそうです。
ベロキラプトルの全身骨格レプリカです。
小型ですがカギ爪の鋭さは狩人としての資質を感じさせます。
ヘーユアンニアの全身骨格レプリカです。
ゴビ砂漠で発見されたオビラプトル類としては2番目の種だそうです。
ピナコサウルスの産状化石レプリカです。
まだ亜成体の固体だそうです。
展示は、アンドリュース以外の調査隊により発見された化石へと移っていきます。
こちらはタルボサウルスの頭骨レプリカです。
1946年にソ連の調査隊によってタイプ標本となる頭骨が発見されました。
タラルルスの全身骨格レプリカです。
こちらもソ連の調査隊により化石が発見されました。
化石ハンター展に展示されている恐竜の中では最も大型の全身骨格です。
プレノケファレの全身骨格レプリカです。
ポーランド・モンゴルの調査隊によって発見された恐竜です。
頭部が大きいですね。
アビミムスの全身骨格レプリカです。
ソ連とモンゴルの共同調査隊がタイプ標本を発見しその後に日本とモンゴルの共同調査隊が多数の化石を発見しているそうです。
鳥のような姿をしていますね。
こちらも鳥のような姿をしたモノニクスの全身骨格レプリカです。
前肢はかなり小さく退化している一方で後肢がとっても長く太いですね。
モンゴルとアメリカの共同調査隊により発見されました。
アンドリュースの調査隊の目的であった哺乳類たちの化石展示に移ります。
いきなり、巨大な哺乳類が姿を現します。
パラケラテリウムの全身骨格レプリカです。
国立科学博物館の常設展示で姿を見れますが、特別展ではかなり接近して見られるため、この機会に会って頂きたいです!
パラケラテリウムのような大型の哺乳類展示の一方で超小型哺乳類の展示もあります。
こちらはクリケトプスの実物下顎化石です。
わかりますか~!?
矢印の先に化石があるのが!
このような地道な作業で貴重な化石が発見されるのですよね。
こちらも小型古生物 ツァガノミスの頭骨実物化石です。
丁寧に丁寧に探していかないと見逃してしまいますね!
エンボロテリウムの頭骨レプリカです。
とってもユニークな形をしていますよね!
アンドリューサルクスの頭骨レプリカです。
歯がごついですね~。
史上最大の肉食哺乳類と呼ばれているアンドリューサルクス。
たしかに、この頭骨はスミロドンや現生のライオンなどと比較してもかなり大きいです!
プラティベロドンの頭骨レプリカです。
エンボロテリウムに引けを取らないユニークさです。
チベット高原に関する展示に移っていきます。
ヒッパリオンの頭骨レプリカです。
馬の進化の中でも指がかなり退化して現生の馬に近づいてきていますね。
ディノクロクータの頭骨レプリカです。
この鋭い牙で草食動物を捕食していたようです。
ディノクロクータに襲われたと思われるキロテリウムの化石も見つかっています。
キロテリウムの全身骨格レプリカです。
下顎の牙が特徴てきですね。
ヒッパリオンと共生していたようです。
いよいよ、化石ハンター展の目玉展示です。
チベットケサイたちです。
寒冷環境だったチベット含む第三極圏で哺乳類たちが寒さに適応し、氷河期になるとその一部がアジアやヨーロッパ等の高緯度地域へ進出したという「アウト・オブ・チベット説」。
この「アウト・オブ・チベット説」を提唱するきっかけとしてケブカサイやチベットケサイが展示されています。
特にチベットケサイは復元模型が製作されています。
ご覧ください!この迫力!
今にも動き出しそうです。
こどものチベットケサイもします。
成体と比べると角がとっても小さいです。
チベットケサイは角が発見されていないため、成体の角はケブカサイの角を参考にして再現しているそうです。
「アウト・オブ・チベット説」は、この古生物がいたから初めて提唱されました。
ケブカサイです。
ケブカサイの角です。
この角だけでなく体についても、先程ご紹介したチベットケサイ復元のベースとなっています。
いや~、とっても見応えがありました。
目玉展示のチベットケサイの復元模型は想像していた以上に大きく迫力がありました!
他ではなかなかお目にかかれない大型哺乳類の古生物たちに会うことができる貴重な機会です。
この夏、絶対に見に行ってほしいイベントです!
動画もご覧ください。