今回は、マチカネワニ(Toyotamaphimeia machikanensis)をご紹介します。
基本情報ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:マチカネワニ(トヨタマヒメイア・マチカネンシス)
学名:Toyotamaphimeia machikanensis
分類:ワニ目インドガビアル科
時代:第四紀更新世チバニアン期
地域:日本
体長:6~8m
食性:肉食
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マチカネワニは、30~50万年前の日本に生息した大型のワニです。
1964年に大阪大学豊中キャンパスにて新校舎を建築していた現場において、化石が発見されました。
建築現場は、新生代・更新世中期の地層が露出しており、生息時期は30~50万年前ののものと考えられました。
※当時は未設定でしたが、チバニアン期に該当します。
1965年には、このワニに関する論文が発表されました。
論文の中で、当時分類されると考えられた"トミストマ(マレーガビアル)属"と当該化石が発見された地名"待兼山"から、このワニは「トミストマ・マチカネンセ」と命名されました。
この名前から、「マチカネワニ」と呼ばれるようになり、現在でも博物館などでは「マチカネワニ」と表記されることが一般的です。
その後の研究により、トミストマ属ではなく新たな属に分類することが適切であると判断されました。
そこで、古事記に出てくるワニの化身とされる"豊玉姫"からトヨタマヒメイアという属が作られました。
そして、このワニは1983年の論文において「トヨタマヒメイア・マチカネンシス」と再命名されました。
マチカネワニの化石には、歯の残った顎も含まれています。
魚を捕らえるのに適した長い吻を持つ一方で、近縁種と比べ太い歯を持ち、後方部が隙間なく並んでいることから魚以外の生物も捕食していた可能性があります。
空想上の生物の中でも、広く世に知られている"龍"は、マチカネワニがモデルとなったという説があります。
巨大な身体に細く長い吻、そして鋭い歯を持つマチカネワニが、龍と考えられていたとしても不思議はありません。
さらに、マチカネワニと同じ時代にはシカ類も多く生息しており、化石としてシカの角が見つかることもあります。
マチカネワニの頭部と一緒にシカの角が見つかれば、さらに角の生えた龍の姿を創造するかもしれませんね。
大型のマチカネワニ。
肉食恐竜に引けを取らないくらいの存在感です。
龍のような姿を是非ご覧ください!
動画もご覧ください。