今年も残すところ2日となりました。
2023年1月1日の記事「2023年も古生物生活!」にて、2023年期待のイベントを2つご紹介しました。
それが、恐竜博2023とジュラシックワールド展です。
しかしながら、ジュラシックワールド展は、残念ながら開催されませんでした。
いつか開催されるものと信じた待ちたいと思います。
さて、予定通り開催された恐竜博2023を始め、今年も多数の古生物イベントが開催されました。
そんな2023年を振り返ってみたいと思います!
まずは、茨城県自然博物館で開催された企画展「いのちの色 —世界をいろどる生きものたちー」です。
開催期間は、2023年2月18日~6月11日でした。
2021年、2022年に続き2023年も茨城県自然博物館の企画展から一年が始まりました。
今回は、恒例のくす玉割りの瞬間にも立ち合うことができました!
企画展の入口です。
茨城県自然博物館の企画展はいつも入口のパネルが派手派手ですが、今回は色をテーマにした企画展ということもあり、とてもカラフルで目立ちますね~!
色とりどりの生物が多数展示されていた、この企画展。
「失われた生きものの色」と題して、古生物標本とともに古生物の色に関する研究結果が解説されていました。
ドードーは人類と生活を共にした数少ない古生物ということもあり、人類がその姿を見て残した文献や絵画から、その色について解説していました。
ドードーは灰色もしくは褐色の羽毛を持っていたようです。
色と言えばシノサウロプテリクスです。
羽毛にメラニン色素を含むメラノソームの痕跡が見つかったことで有名です。
ここでは化石と復元模型で色について解説していました。
プシッタコサウルスは、尾に羽毛が生えているのがはっきり分かる標本が展示されていました。
背中側が暗い色、腹部が明るい色をしていたそうですね。
ステノプテリギウスの状態の良い実物化石も展示されていました。
小さな個体は全身黒く、大型個体はカウンターシェーディングをもっていたと解説されていました。
続いては、今年最大のイベント!
恐竜博2023です。
開催期間は、2023年3月14日~6月18日でした。
今回の恐竜博2023は"攻守"がコンセプトでした。
守りを代表する恐竜として装盾類を挙げ、「装盾類の進化」を第一章のテーマに多数の標本から解説していました。
とても印象的な恐竜の数々。
こちらのスケリドサウルスは、皮骨に覆われた頑丈そうな身体をしていました。
盾を代表する恐竜はズールです!
今回の目玉展示として、多数の標本が展示されていました。
悪魔のような顔、トゲトゲの胴体、ハンマーを備えた尾、トゲトゲの胴体と貴重かつユニークな実物化石を間近で観察することができました。
攻めのゴルゴサウルスと戦うズールです。
ズールが尾のハンマーをゴルゴサウルスの脛に当てて攻撃している姿が描かれています。
守りのズールも、守ってばかりではいなかったということですね。
一方、攻めの目玉はマイプです!
貴重な実物化石なんですよ!
マイプは現時点で全身骨格が復元されていないそうで、今後復元が計画されているそうです。
その代わりに、同類のメガラプトルの全身骨格が展示されていました。
前脚のカギ爪が鋭く立派ですね!
攻めを語るのにティラノサウルスは外せません。
なんと、タイソンとスコッティの2体が展示されていました!
この2体が並んだ姿は大迫力でした!
続いて、第2回 化石のマーケットです。
開催期間は、2023年4月22日~4月23日でした。
2022年10月に第1回が開催されましたが、半年が経過し第2回の開催となりました。
今回も、常設の標本とこのイベント用の特別展示がありました。
このステノプテリギウスは、実物化石なんですね。
小型ですが、しっかりと骨格が残っている貴重な標本です。
小型恐竜たちのレプリカも多数展示されていて、見応え十分です。
もちろんアクロカントサウルスの全身骨格も我々を迎えてくれます。
何度見ても立派な姿です!
今回も化石クジにチャレンジしました。
1回500円です。
凄いのが当たりました。
三葉虫の化石です。
やったー♪
続いて、DINO SAFARI2023 恐竜ライブ ディノサファリです。
開催期間は、2023年4月27日~5月7日でした。
今回はディノサファリ初登場となるゲオステルンベルギアが姿を現しました。
頭部が大きくユニークな姿をしています。
子供にはちょっと怖いかな?
そして、ディノサファリのみならずディノアライブで初登場となるアンキロサウルスです。
尾のコブがとても立派でした。
席を立ってアンキロサウルスに近寄って観察できる時間が設けられたのです。
子供たちが羨ましかった!
そして、ティラノサウルスがアロサウルスの戦いは、ティラノサウルスが圧勝!
スピーディかつ迫力ある戦いにくぎ付けでした。
続いては、東京たま大恐竜博です。
開催期間は、2023年4月29日~5月7日でした。
序盤のパネル解説の後、中盤にかけて化石展示がありました。
レプリカや実物化石の貴重な標本が多数展示されていました。
化石展示の中心にいたのは、ゴルゴサウルスの頭骨です。
レプリカでしたが、そごい存在感でした!
このイベントは、非常にたくさんの恐竜ロボットを展示していることが特徴です。
こちらのタペヤラやテリジノサウルスのように、他ではあまり見かけない恐竜ロボットも展示されていました。
スピノサウルスは、青色のライトに照らされて、水中を泳いでいるような演出がなされていました。
最後に登場したのがこちらのティラノサウルスです。
スピノサウルスが全長が長かったのに対して、こちらのティラノサウルスはとても分厚さがありました。
前かがみになって大きな口を開いて吠えるため、恐怖すら感じさせます。
続いては、『ジュラシック・パーク』30周年記念ギャラリーです。
開催期間は、2023年6月2日~7月26日でした。
1993年に公開された映画「ジュラシック・パーク」から30年目を記念したものです。
多数の恐竜スタチューが展示されていました。
いずれもジュラシック・パークもしくはジュラシック・ワールドに登場した恐竜たちであり、映画のワンシーンを再現しています。
映画のオリジナル恐竜たちも登場。
ファンにはたまらないイベントですね!
続いては、恐竜図鑑 失われた世界の想像/創造です。
兵庫と東京での開催で、開催期間は、兵庫が2023年3月4日~5月14日、東京が2023年5月31日~7月22日でした。
私は東京会場である、上野の森美術館で見学させていただきました。
入場すると、恐竜が表紙となった大きな図鑑が展示されていました。
その後の展示を期待させてくれます。
こちらはイグアノドンの復元模型です。
恐竜の研究が進むにつれて、人類が想像・創造する姿も移り変わっていきました。
この復元模型は、そのことを象徴する存在です。
我々がイメージするイグアノドンの姿は、こちらですね。
しかし、この姿もこれからの研究によっては変わっていくかもしれません。
貴重な絵画も多数展示されていました。
こちらは、「ドゥリア・アンティクィオル(太古のドーセット)」です。
古生物の生態を復元した史上初の絵画と言われる作品を見ることができました。
こちらは、「イグアノドンの国」という作品です。
クロコダイル、イグアノドン、メガロサウルスが絡み合い、右下には小さくプテロダクティルスも描かれています。
いずれも早い時期に化石が発見された生物ばかりです。
歴史ある作品ばかりではありません。
近代的な作品も多数展示されていました。
こちらは、篠原愛さんの「ゆりかごから墓場まで」です。
恐竜は、モノロフォサウルスであり、制服の少女たちと朽ち果てた恐竜の対照的な姿が印象的な作品です。
また、少女の手には小鳥がいます。恐竜からの進化を感じさせます。
こちらも素晴らしい大作です。
小田隆さんの、その名も「アンハングエラ」という作品です。
アンハングエラが水面ギリギリを飛行して魚をキャッチしている姿が描かれています。
続いては、福井県立恐竜博物館リニューアルオープンPRキャラバン隊です。
全国4ヶ所で2023年5月~7月上旬にかけて開催されました。
会場には、ティラノサウルスやトリケラトプスの頭骨が展示されていました。
商業施設にこんな立派な恐竜の頭骨が展示されていたら、かなり注目を集めますね。
福井県立恐竜博物館のリニューアルを記念したイベントですから、当然のようにこの2体も展示されていました。
この2体を見て、さらに福井県立恐竜博物館のリニューアルが待ち遠しくなりました!
続いて、「ジュラシック・パーク」30th ANNIVERSARY POP UPです。
全国3ヶ所で2023年6月~8月に開催されました。
入場口がジュラシック・パークのエントランスゲートになっているこだわりようです!
多数の恐竜スタチューが展示されていました。
このイベントの目玉は、映画で使用された小道具の展示でした。
ヴェロキラプトルのカギ爪やネドリーのマグカップ・レインコートなどの貴重な品が展示されていました。
続いては、科学で楽しむ妖怪展です。
開催期間は、2023年7月12日~9月10日でした。
妖怪が主役のこのイベント。
妖怪のイラストが多数展示されています。
ここにどのように古生物が関係してくるのか・・・。
それは、妖怪と呼ばれるものが、実は現生物・古生物から創造されたのではないか?との説を示す為、標本などが展示されているのです。
例えば、こちらは龍がワニと鹿の角から創造された可能性を指摘しています。
そのため、このイベントを象徴する存在としてマチカネワニのシルエットが展示されていました。
一つ目の妖怪については、ジュゴンのような水棲生物もしくはナウマンゾウなどのゾウの仲間の頭骨からイメージされたという説を紹介しています。
ここではジュゴンの頭部レプリカが展示されていました。
天狗の爪としてメガロドンの歯が展示されていました。
こちらは、わりと耳にするお話ですね。
今回最大の標本は、こちらのプロトケラトプスでした。
グリフォンのモデルとして紹介されていました。
サイズはグリフォンのイメージとだいぶ違いますが、くちばしのあたりは似ている気がします。
続いて、DinoScience 恐竜科学博2023です。
開催期間は、2023年7月21日~9月12日でした。
恐竜科学博は、2021年にパシフィコ横浜で初めて開催されたイベントであり、今回で2回目です。
トリケラトプスの幼体が翼竜を追いかけ群れとはぐれたことにより、冒険を始めるというストーリーは以前と変わらっておらず、展示標本も大きな変化はありません。
しかし、全く新しい展示がないわけではありません。
ここに展示されている古生物エラスモサウルス、エンコドゥス、トクソケリスは、全て初登場の標本です。
今回の目玉と言えます。
また、同じく白亜紀アクラリウムゾーンの、こちらの一コマ。
モササウルスにヘスペロルニスが襲われています。
前回もモササウルスは登場したものの、ヘスペロルニスについては初登場です。
ヘスペロルニスが襲われる演出を加えることで、モササウルスの獰猛さが強調されましたね。
もちろん、トリケラトプスのレインと、ティラノサウルスのスタンも登場します。
レインは今回レプリカになってしまいましたが、それでもこの2体の戦いは迫力があります。
続いては、いよいよ福井県立恐竜博物館のリニューアルオープンとなりました。
リニューアルオープン日は、2023年7月14日でした。
リニューアルに先立って、2023年5月25日にティラノサウルスのモニュメントが設置されていました。
こちらは、2018年に公開された「ジュラシック・ワールド 炎の王国」に登場するティラノサウルスをモデルとしているそうです。
恐竜展示については、恐竜の配置や姿勢、展示標本そのものがいくつも変わっています。
こちらは、最も有名と言っても過言ではない、ティラノサウルスの恐竜ロボットですね。
少し動きの設定が変わっているのです!
そして、ティラノサウルス恐竜ロボットの左右は、サウロロフスとタルボサウルスの展示に変わりました。
タルボサウルスは、以前のゴジラスタイルから、前傾姿勢に大きく変化しました。
こちらの方が躍動感があって、自然な姿勢に見えますね。
以前、タルボサウルスがいたティラノサウルス全身骨格の隣のスペースには、スコミムスの全身骨格が展示されていました。
こちらのスコミムスは、「恐竜展2021」でも見かけましたね。
初登場となる標本も多数展示されていました。
こちらのブラキオサウルスの幼体も初登場です!
小型竜脚類は可愛らしいですね♪
リニューアル後の目玉展示は、こちらのブラキロフォサウルスです。
実物のミイラ化石でレオナルドと呼ばれています。
とっても貴重な標本で、周囲を通路に囲まれていますので、色々な部位を間近で観察することができます。
リニューアルに伴い建築された新館は、中央部に恐竜の塔と呼ばれるモニュメントがありました。
新館には、イベントを開催できる多目的ホールがあります。
ここでは、リニューアル後にDINO-A-LIVE in 恐竜博物館 ~蘇った福井の恐竜たち~が開催されていました。
開催期間は、2023年7月22日~8月20日でした。
福井県を代表する恐竜、フクイラプトルとフクイサウルスが登場しました。
さらに、アロサウルスも登場!
フクイラプトルと戦い、首元に噛みついていました。
さらに、新館には化石研究室も新しい施設もあります。
こちらでは、その名の通り、化石研究体験を行うことができます。
私はT.rex頭骨復元、化石クリーニング、CT化石観察を行ってきました。
11月中旬~4月中旬は、T.rex頭骨復元ではなく化石発掘プラスが体験できます。
福井県立恐竜博物館は、さらに集客力がアップしましたね!
続いては、海 —生命のみなもと―です。
海洋生物の展示が充実したこの特別展。
こちらは、この特別展の目玉となるフロアです。
現生の海洋生物たちの標本が多数展示されています。
特にナガスクジラの復元模型の裏側には、実物の頭骨が展示されているのです!
さぁ、少し展示を遡って第1章にいきなり古生物たちが登場します。
第1章は生命の誕生と進化を紹介しています。
こちらが古生物の展示コーナー。
ものすごい人でした!
イラストと化石(ほとんど実物)が並んで展示されているため、当時の姿がイメージしやすくなっていました。
国立科学博物館で所蔵している豊富な標本と、他の博物館などから出張している標本とで、非常に充実した展示になっていました。
続いて、DINO SAFARI GIGANT 恐竜ライブ ディノサファリです。
これまで渋谷ヒカリエで開催していたDINO SAFARIのパワーアップ版です。
出演する恐竜の数がとにかく多い!
先程ご紹介したDINO SAFARI2023 恐竜ライブ ディノサファリで初登場となったアンキロサウルスがステゴサウルスとともに登場です。
さらに、ブラキオサウルスも登場!
こちらは、2022年が最後となった夏のDINO-A-LIVEイベント"TIME DIVER"に登場していましたが、DINO SAFARIには初の登場です。
DINO SAFARI、DINO-A-LIVEイベントと言えば、ティラノサウルスが欠かせません。
右目を怪我したティラノサウルスが初登場です。
何度見ても凄い迫力です!
そして、今回の目玉はギガノトサウルスです。
ティラノサウルスに噛みつくギガノトサウルス。
黒と白の配色をした身体が不気味さを感じさせます。
続いて、第3回 化石のマーケットです。
開催期間は、2023年11月4日~11月5日でした。
今年は2回開催されました。
やはり、常設と特別展示がありました。
プテラノドンの全身骨格から、頭骨の数々は常設ですね。
一方、特別展示としてプウィアンゴサウルスの大髄骨が展示されていました。
実物化石であり、唯一触ることができました。
こちらは、今回の目玉展示であるモササウルスの頭骨です。
なんと、こちらも実物化石です。
特徴的な歯が残っていますね。
今回も化石クジを引きました。
色々と当たりましたが、一番気に入ったのはスクアリコラックスの歯化石です。
続いて、第32回 東京ミネラルショーです。
開催期間は、2023年12月8日~12月11日でした。
日本最大級の鉱物イベントということもあり、ものすごい賑わいを見せる会場。
お目当ては、化石テーマ展示コーナーです。
貴重な標本が多数展示されていました。
今回の目玉はこちらのディアセラテリウムの全身骨格です。
日本初公開となるサイの仲間の全身骨格でした。
最後にご紹介するのは、進化する!?恐竜研究展です。
開催期間は、2023年12月13日~2024年1月30日です。
今回の展示は恐竜の進化ではなく、恐竜研究の進化にスポットを当てています。
入場してすぐに目玉となるアロサウルスの登場です。
ここでは、アロサウルスが仲間の死肉を食べていたという研究結果が紹介されていました。
こちらはアンキオルニスの全身骨格です。
展示パネルにても色の研究に関して解説されており、アンキオルニスは色が解明された恐竜として展示されていました。
となりに復元模型が展示されていて、その色をイメージしやすくなっています。
トサカの赤が特徴的ですね!
今年は例年以上にいろいろな体験ができました。
特に恐竜博2023と福井県立恐竜博物館のリニューアルオープンは素晴らしかった!
来年も様々なイベントが開催されることに期待したいと思います。
2024年も古生物を楽しみましょう!
動画もご覧ください。